2013/01/31

800号...スプートニクのこと...

CQ誌800号P39に、スプートニクの打ち上げで、アマチュア天文家とアマチュア無線家の間で、競争があった...なんて書かれているけど、僕に言わせると何だかな...???だ。
まぁ、この頃に僕は生まれていないけれど、この観測に関連した機器を提供した企業の一員としては、ちょっと言いたい...

まずは、

アマチュア天文家グループは、実は「見る」ことが目的ではなかった。ちゃんと地球観測年の事業の一環として、軌道決定のための「光学観測」を行っていた。単にビーコン聞いて「わーい」って喜んでるような連中と一緒にしないでほしい。

と、CQ誌に対する意見として書いておこう。

さて、僕が知っている話はこんなだ。
当時は、衛星の軌道が正確にわかっていないし、どの程度の精度で位置推算できているのかも定かでなかった。実際の観測は、7度程度の視野を持った単眼鏡を横一列に何台も並べて、それぞれに観測者を配置。衛星が、誰の視野をいつ横切ったかというレベルの観測だった。それで十分に科学的な観測が出来た。そんな状態だったから、いつ視野を横切るかわからない衛星を、じっと待っている間に寝てしまう観測者もたくさん出たと聞いている。
だから、光学観測をするアマチュア天文家グループにとって、ビーコンが聞こえていると教えてくれるアマチュア無線家がいることはとてもありがたいことだ。なんたって、ビーコンが聞こえるという事は、可視範囲に衛星がいることを示しているのだから、視野を横切るかもしれないという重要な合図になる。
いくつもの観測グループで、アマチュア天文家とアマチュア無線家が仲良く一緒になって観測をしたって言う話だ。

だから、競争だの勝ち負けだのという書き方は、適切ではないのではないか? と思うのだ。
もちろん、一部のメディアや、一部のアマチュアは、そう考えていたかもしれない。だが、それが大方の意見であったような書き方はいただけない。

...いや、もしかすると、アマチュア無線家は、昔から「勝負だ」、「勝ち負けだ」と思っていたのかもしれない。「今の若いアマチュア無線家は何だ!」なんて言っているOMが、若かったころから...

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