2016/04/13

太陽系外探査の時代がはじまるか...?

今日、ニュースを見てびっくり。
αケンタウリ系に探査機を飛ばそうという話が出ていました。

まぁ、以前から言われていた宇宙ヨット+高出力レーザーの組み合わせです。
日本の金星探査機「あかつき」の打ち上げに合わせて便乗させた「イカロス」が太陽光を使ったタイプの宇宙ヨットでしたね。光圧推進ってヤツです。

さて、新しい計画では、太陽光なんてショボイ光源ではなくハイパワーレーザーを、それも多数組合わせてやろうというものです。この手のヤツは、軌道エレベーターの推進でも検討されていましたよね。

さて、どうなるんでしょう?
ニュース記事を拾って行くと、打ち上げ後(?)3日で冥王星の軌道を越えるとか、光速の20%まで加速、20年でαケンタウリに着くとか色々と出ています。

私が気になる点は4つ

辿り着くか
軌道の制御が行えないので、光圧推進を開始した時点で、ほぼ目的地が決まります。厳密に、初期の推進方向をコントロール出来るでしょうか? 角度が1/1000度ズレても、目的地からは遠く離れた場所を通過するだけです。
また、宇宙空間の微かなチリ、水素原子等との衝突は、帆の破損、進路の変化などの結果をもたらすでしょう。

20年持つか
20年間も外宇宙に居て、大量の放射線を浴び続けた半導体は生き延びられるのでしょうか? 太陽系内の様に太陽風で守られた空間ではないため、高エネルギーの宇宙線を浴び放題。探査体御本尊は重さ数gとの事ですから、現行品よりも微細な設計ルールに則っているはずです。エラーの頻度も格段に上がるでしょう?

有意な観測が出来るか
数gの中に観測機器を組み込めるのでしょうか? 観測するカメラ一つとっても、レンズだけで数gは必要です。当然、この重量だと、探査機にはエネルギー源を搭載できません。帆が太陽電池になっていて、αケンタウリに近づくと電源が入るような仕様でしょう。

観測結果を送り返せるか
数グラムの中に送信機も乗せなければなりません。探査機は光速の20%でかっ飛んでいるので、ビットレートを落としすぎるとデータを送信し終える前にαケンタウリ系から離脱してしまい、電力不足でシャットダウンしてしまいます。ビットレートをある程度に上げるには、送信出力が必要です。数gに収まるの?
中継するという方法を思いつく方もいらっしゃるでしょう。中継機が働くには電力確保が必要です。すなわちαケンタウリ系に居なければダメなので、中継機の存在意義がありません。

そう、隣の恒星まではとんでもなく遠いのです。


...さて、これらの困難を乗り越えて、人類は初の太陽系外探査を夢見るのです。

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